僕の身体を操る別の意識は、ゴミだらけの部屋は綺麗に片付けだした。
「掃除なんてめんどくさいことを僕がやっている…」
不思議と僕は疲れない。まるで映画を見ているようにみるみる部屋が綺麗になっていく。
僕の部屋はこんなに綺麗だったのかと感心した。
次に服や身だしなみを綺麗にしだした。
「いくら身だしなみを綺麗にしても、元が悪いから意味ないのにな…」
鏡を見る僕。
「やっぱり不細工で、嫌いな顔だった。」
スポーツウェアに着替えると僕は走りだした。100メートルくらい走ると僕は息を切らしていた。
「普段の引きこもりにいきなり運動は無理だよ。めんどくさいことばかりやってるな」
別の意識は毎日めんどくさいことを繰り返し、しばらくするとバイトを始め、本を読んだり、友達と遊びに行ったりした。
「バイトなんて全然稼げないのに…この歳でバイトなんてバカにされるのに。」
本を読んだり、友達と遊んだりは楽しいかった。
「僕にもこんな顔で笑ってくれる友達がいたんだな…」
僕の意識はそこで途切れた。